相続登記の義務化

令和6年4月1日から相続登記が義務となります。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html

日本中にある所有者不明土地(長い間相続手続が行われず,管理や処分等が難しくなってしまった土地)の発生を防ぐため,相続登記が義務化されることとなりました。相続が発生し,自分がその土地の権利者であることを知ってから3年以内に相続登記をしなくてはなりません。
義務の違反者には10万円以下の過料を科せられることもあるようです。

とはいえ,一般的に相続登記を行うには相続人全員で話あって(遺産分割協議)で承継者を決める必要があります。
また,どうしても決まらない場合は調停や審判で承継者を決めるか,相続人全員の名義で登記をする必要があります。
相続登記をするには,少なくとも申立人や申請人の負担で戸籍等を収集して,どこの誰が相続人であるかまでを調べる必要があるわけです。

そこでそのような負担を軽減するため同時に「相続人申告登記」というものが導入されるようです。
どのような登記になるのかの詳細はまだわかりませんが,自己が相続人である旨を登記官に対して申し出ることで相続登記の不履行の義務違反を免れることができるようです。

これまで義務でなかったものに対して,実際のところどこまで厳密に過料を科せられるのかはわかりませんが,どの不動産に関しても科せられるおそれは否定できません。

現状でいえることは,これまでと同じになるのですが,遺産に関する話がまとまったら速やかに登記手続を行いましょう。