境界線は大丈夫?「測量なし」で行う不動産の個人売買に潜む恐ろしい落とし穴
「知り合い同士の取引だから、わざわざ高いお金を払って測量しなくてもいいよね」
「お互い境界は分かっているつもりだから、現状のままで引き渡そう」
不動産の個人売買(親族間や隣人同士など)で、費用を抑えるために「測量」を省いてしまうケースがよくあります。
しかし、不動産のプロ(宅建業者)が間に入らない個人売買において、「測量なし(公簿売買)」での取引は、後から取り返しのつかない大トラブルに発展するリスクが潜んでいます。今回は、測量をしない個人売買の具体的な落とし穴と、当事務所が測量なしの取引をおすすめしない理由を分かりやすく解説します。
1. 測量なしの個人売買に潜む3つの落とし穴
測量をせずに、法務省(登記簿)に登録されている古い面積(公簿面積)だけで売買を行うと、以下のようなトラブルが発生しやすくなります。
落とし穴①:実際の面積が全く違った(あとから返金トラブルに)
明治時代などに作られた古い登記簿の場合、記載されている面積と、実際に測った面積が大きく異なる(「縄縮み」「縄伸び」と言います)ことがよくあります。
売買が終わった後、買った側が家を建てようと測量したら「聞いていたより何坪も狭かった!」ということが発覚し、「騙されたからお金を返してくれ」と大きな揉め事に発展するケースです。
落とし穴②:隣の家の塀が「はみ出していた」(越境問題)
測量をしてみたら、実は「隣の家のブロック塀がこちらの敷地に数センチ食い込んでいた」、あるいは逆に「自分の家の屋根のひさしが隣にはみ出していた」という事実が発覚することがあります。
個人売買のあとでこれが発覚すると、隣人との関係が悪化したり、買い手から「こんな問題物件だとは知らなかった」と契約解除を迫られたりするリスクがあります。
落とし穴③:買い手が「住宅ローン」を組めない
もし買い手の方が銀行で住宅ローンを組ようと考えている場合、多くの金融機関は「境界が確定していること(確定測量図があること)」を条件にします。測量をしていないと、そもそも銀行がお金を貸してくれず、売買契約自体が流れてしまう原因になります。
2. 「測量なしの個人売買」を当事務所がおすすめしない理由
「親族間だから」「お互い信頼しているから」という理由で、測量費用を省きたくなる気持ちはとてもよく分かります。
しかし、不動産は一生モノの非常に大きな財産です。
どれだけ今は仲が良くても、いざ数センチのズレで何百万円もの損得が発生したり、将来その不動産を子供世代が相続したりしたときに境界トラブルが発覚すれば、せっかくの人間関係が一瞬で壊れてしまいます。
「後から揉めて何倍もの費用と時間を失うリスク」を考えれば、最初の測量費用は決して高いものではありません。身内や知り合い同士の取引だからこそ、将来の安心のために「きっちり測量をしてから売買する」のが、お互いにとって本当の優しさなのです。
3. まとめ:安全な個人売買のために、まずはプロにご相談ください
当事務所(草の根事務所)では、不動産の個人売買における契約書の作成や名義変更の手続き(登記)だけでなく、土地家屋調査士としての「事前の測量・境界確定」までサポートしています。
「仲介手数料を浮かせたい」と始めた個人売買で、大損をしてしまっては元も子もありません。
「そうは言っても、測量って具体的にどう進めればいいの?」と不安な方は、まずは一度当事務所へご相談ください。プロの目による正確な測量から、安全な契約書の作成まで、地元の皆様の取引が失敗しないよう親身にサポートいたします。

