法務局の「遺言書保管制度」とは?自筆証書遺言のデメリットを解消する画期的な仕組み

「自筆証書遺言は手軽だけど、紛失や改ざんが心配……」 「自分が亡くなった後、家族が遺言書を見つけてくれなかったらどうしよう」

そんな自筆証書遺言の大きなデメリットを解消するために、令和2年から始まったのが法務局の「遺言書保管制度」です。この制度を利用することで、自筆の手軽さを活かしつつ、公正証書遺言のような安心感を得ることができます。

今回は、今とても注目されているこの制度のメリットや注意点について分かりやすく解説します。


🔒 遺言書保管制度の「3大メリット」

① 紛失・隠匿・改ざんのリスクがゼロになる

作成した遺言書は、ご自宅ではなく「法務局(国家機関)」で大切に保管されます。そのため、紛失してしまう心配はもちろん、特定の親族に見つかって破棄されたり、中身を書き換えられたりするリスクを防げます。

② 死後の「検認」手続きが不要になる

通常の自筆証書遺言は、亡くなった後に家庭裁判所で「検認(けんにん)」という、数ヶ月かかる面倒な手続きを行わなければ銀行などで使えません。しかし、この保管制度を利用していれば検認の必要がなくなり、残されたご家族はすぐに相続手続きを進めることができます。

③ 形式的な不備による「無効」を防げる

法務局に提出する際、職員が「日付はあるか」「署名や押印はあるか」といった、法律上の形が整っているかをその場でチェックしてくれます。そのため、「うっかり不備で無効な紙くずになってしまった」という最悪の事態を避けることができます。


⚠️ 利用する前に知っておきたい注意点

非常に便利な制度ですが、以下の2点には注意が必要です。

  1. 法務局がチェックするのは「見た目(形式)」だけ 職員が確認してくれるのは、あくまで署名や日付があるかどうかだけです。「この文章で本当に銀行の口座が解約できるか?」「この内容で将来子供たちが揉めないか?」といった、肝心な「中身(文章の表現)」まではチェックしてくれません。
  2. 本人が直接、法務局に行く必要がある 代理人が代わりに提出することはできず、必ずご本人が法務局の窓口へ足を運ぶ必要があります(※事前の予約が必要です)。

確実な遺言書で、家族に安心を遺すために

遺言書保管制度は、正しく使えば非常に強力な味方になります。自筆の手軽さと法的な安心感を両立させるための知識として、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
当事務所では、今後も相続や遺言に関する情報を更新してまいります。