遺言書はなぜ必要?「うちは財産が少ないから大丈夫」という人ほど揉める理由

1. データが語る「財産が少なくても揉める」という現実

「お金持ちの家ほど、遺産を巡って骨肉の争いをする」というイメージがあるかもしれません。しかし、最高裁判所の司法統計データは、全く異なる現実を示しています。

家庭裁判所で起きている「遺産分割調停(話し合いがまとまらずに裁判所で揉めるケース)」のうち、なんと全体の約7割〜8割が「遺産総額5,000万円以下」のご家庭なのです。

その内訳を詳しく見てみると、驚きの事実が分かります。(令和6年「司法統計」から)

  • 遺産1,000万円以下: 全体の約33%(約3割)
  • 遺産1,000万円超 〜 5,000万円以下: 全体の約43%(約4割)

このように、1,000万円以下の少額なケースも含め、大半が一般的なご家庭でのトラブルです。この数字からも分かる通り、相続トラブルは決して「他人事」ではなく、どのご家庭にも起こりうる身近な問題なのです。


2. なぜ「普通の家庭」ほど揉めてしまうのか?

では、なぜ財産が多くないご家庭でトラブルが起きてしまうのでしょうか。主な原因は2つあります。

原因①:財産のほとんどが「自宅(不動産)」で、きれいに分けられない

資産家であれば、不動産の他にも多くの現金や預貯金があるため、「長男には家を、次男には同等の現金を」といった形で公平に分け合えます。

しかし、一般的なご家庭の場合、財産の大部分が「今住んでいる自宅」ということがよくあります。 家をパカッと半分に割ることはできません。かといって「家を売って現金にして分けよう」とすると、そこに住み続けたい家族が困ってしまいます。このように「きれいに切り分けられない財産」しかない場合ほど、話し合いが平行線になりやすいのです。

原因②:「うちは仲が良いから大丈夫」という思い込み

「子どもたちはみんな優しいし、仲が良いから話し合いでうまくやるだろう」と親御さんは信じがちです。

しかし、いざ相続が発生すると、子どもたちだけの問題ではなくなります。それぞれに「配偶者(夫や妻)」や自分の家庭があり、生活の事情もあります。周囲の意見が入ることで、これまでは仲の良かった兄弟姉妹の間でも、主張がぶつかり合ってしまうケースは少なくありません。


3. 遺言書は「家族の絆」を守るお守り

こうした悲しいトラブルを防ぐために、生前から準備できる最強の対策が「遺言書」です。

遺言書の本質は、単なる財産の処分方法の指定ではありません。「残された家族が、財産の分け方で気まずい思いをしたり、揉めたりしないようにするための優しさ」です。

親御さんが「誰に、何を、どんな想いで遺すのか」をハッキリと遺言書に書き記しておくことで、残されたご家族はそれに従って手続きを進めることができます。無用な話し合いや、お互いの出方を探り合うようなストレスから、大切な家族を守ることができるのです。


4. まとめ:大切な家族のために、一歩踏み出してみませんか?

「うちの状況だと、遺言書は必要なのかな?」「書くとしたら、何から始めればいいんだろう?」

そう思われた方は、ぜひ一度ご相談ください。遺言書は法律で書き方(形式)が厳格に定められており、間違えるとせっかく書いたものが無効になってしまうリスクもあります。

当事務所(司法書士 草の根事務所)では、岐阜市・各務原市を中心に、地元の皆様の相続・遺言のご相談を親身にお伺いしています。初回相談は無料ですので、まずは「我が家の場合はどうだろう?」という軽い気持ちでお気軽にお問い合わせください。