相続の基本   

死亡により相続が発生し、権利や財産は相続人に引き継がれます。
法律上は死亡と同時に相続人のものになりますが、
自動的に財産の名義が書き換えられることはありませんので、
各財産ごとに申請や届出などの手続が必要になります。
不動産であれば登記名義の変更、預貯金や証券であれば銀行での名義変更や解約の手続などです。

また、相続人が一人であれば直ぐに相続の手続を行えますが、
相続人が複数いる場合には誰がどの財産を引き継ぐのかを決める必要があります。
特定の相続人を決めずに相続人全員で所有し続けるということもできるのですが、管理や処分の際に不都合が生じることがありますし、
次の相続が発生した場合にはさらに権利が分かれてとても複雑な状況となってしまいます。

そこで通常は相続人間で話合いをして、誰がどの財産を取得するのかを決定します。
これが遺産分割協議です。遺産分割協議は相続人全員で行う必要があります。
全員で合意ができれば書面(遺産分割協議書)を作成し、各種の相続手続で使用します。

当事者同士で話合いがまとまらない場合は裁判所に調停を申し立てる必要がでてきます。
調停でも決まらないと審判に進むこととなります。
その場合最終的には裁判所が決めることになりますが、法定相続分で決着することが多いようです。
費用や手間を考えるとやはり相続人間で決めてしまうことが理想だと思います。

それぞれの立場を理解しながら話合いをすすめることが問題の解決の近道となります。
相手の立場や権利を理解していないと話がこじれる可能性が高くなります。
話合いには正しい知識が必要ですので一度司法書士にご相談されることをお勧めいたします。

贈与の基本

他人に無償で財産を譲ることを贈与といいます。
一般的に親子間などで行うことが多く、将来の相続を前提とした贈与を特に生前贈与といったりします。
贈与に条件や負担をつけることもありますが、
贈与は対価が不要ですのでお互いが納得していれば直ぐに手続を行うことができます。
あげるものが不動産であれば贈与の登記を行います。

ただし、シンプルな手続なだけに注意も必要です。
先ずは税金です。
贈与は相続のように自然に発生するものではありませんので、相続よりも税率が高く設定されています。
少額であれば控除額の範囲内におさまることもありますが、暦年課税の控除額を超えてしまうと申告と納税が必要になります。
申告は翌年になりますので、税務署からの通知で慌てないよう予め申告額や申告方法を確認しておきましょう。
また、もらう人があげる人の相続人にあたる場合には「相続時清算課税制度」で贈与税としての納税が不要になることもありますので、
あげる人もらう人の双方がどのような立場にあるのかを理解して手続を進めましょう。

他の注意点としては、相続人間の公平性の点です。
一部の相続人に対する贈与が特別受益とみなされて相当額を持戻す必要がでてくることがあります。
所有権を取得させることが目的であればよいのですが、贈与相当額が遺留分の対象となって折角の贈与が台無しになることもありますので注意が必要です。
あげる人の総財産やあげる時期などを考慮して手続をしましょう。